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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第21章 番外編第四話【轍~わだち~】

「好き放題のことって―」
 話が核心に触れ、晶は唇が慄えた。
 祖母は晶の視線を逸らすことなく、頷いた。
「確かにあの時、私はお祖父さまではなく、別の男(ひと)を選んだの。それはけして、愛情からくるものではなかったのだけれどね」
 ―愛情からではなく、もっと別の感情で一人の男と生きる道を選ぶ。果たして、そんなことが現実にあり得るのだろうか。晶には判らない。

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