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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第21章 番外編第四話【轍~わだち~】

 折しも昭和の新しい時代に入り、時は風雲急を告げようとしていた。いつ何時、外国の列強諸国との間で戦争が始まるか知れたものではない。戦争に赴けば、泰史はもしかしたら二度と帰ってこないかもしれない。現に、過去に軍役に駆り出されたまま、戦争が始まり、戦地に赴き帰らぬ人となった者の話を年寄りから昔語りに聞く。
 それでも、後悔はないのか。彼を一人行かせてしまって、迷いはないのか。

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