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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第14章 番外編第一話「潮騒の詩」~海辺の恋~

 その時、ひときわ高い波が押し寄せた。
「危ないッ」
 亮平は思わず叫んでいた。娘の脚はふくらはぎの半分ほどまで水の中に浸かっている。そんな場所にいたのでは、高波が来たら、すぐに波にさらわれてしまう。度胸があるのか、無知なのか―。亮平は苦笑いを浮かべた。
「大丈夫か?」
 だが、娘の姿は、ちゃんとそこにあった。
娘に近づいて、亮平は息を呑んだ。

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