小 中 大 テキストサイズ

空の記憶～あなたと私と彼、それから～

第11章 第四話【縁～えにし～】　早春賦

　幸が顔を上げる。その泣き濡れた瞳を見て、浩三が息を呑んだ。
「僕は君を一体どこまで苦しめているんだろう。僕が来たことは、幸、君をそんなに泣かせてしまうほど辛いことなのか　。だが、これだけは教えてくれ。幸、君は僕の妻であることだけではなく、子どもたちの母親であることさえも止めるというのか」
最後へ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ