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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 それを物足りないと思うことこそが我が儘なのだろうが、その四年間は、幸が望んだ理想の結婚生活とはほど遠いものだった。
 が、今の幸はその点で言えば、恵まれている。小学校の訓導というれきとした職業を持ち、自分の力で精一杯生きようとしている。
「幸が今の仕事を続けたいと思うのなら、都市に帰ってからも続けたら良い。僕の勤務する大学の付属小学校なら、幾らでも空きはある。教員として働くことはできると思う」

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