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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 自分はこれまでに幾つもの出逢いをと別れを繰り返してきた。無数の人との繋がりや縁が複雑に絡み合い、まるで一枚の織物のように、幸の人生を織りなしてきたのだ。流れに流れてここまで辿り着いたけれど、その道は最初居た場所からは何と遠く離れてしまったことだろう。だが、いくらあの頃を懐かしもうとも、今更二度と戻ることはできない。

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