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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第8章 第三話【波の音】 予感

 何ということだろう。まるで悪い夢を見ているようだと思った。確かに亮平には間違いないけれど、今の彼は幸の知る亮平とは全くの別人のように見える。投げやりな物言い、暗く憎しみを宿した瞳、全身から強い憎悪と殺気が滲み出ている。まるで彼自身が研ぎ澄まされた刃のようで、少し触れただけで斬られてしまいそうだ。

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