
ふわふわ堕天使のスルメイカ
第21章 愛の狭間で・・・
「どっちも選ばなきゃいいんじゃね?」
「はっ!?」
――“あの日”から数日経ったバイトの日。
店長は何やら新しく2号店出すか何かで研修に行ってて居なかった。
久々にご対面した瞬間、頭をペシッと一叩きされ
「お前、何かあったろー?」
まるで、“俺は何でもお見通しだぜ?!”とでも言わんばかりの表情で
「何があったか話してみろ」
何故か、少々怖い顔で凄まれて止むを得ず、あの日の話を全部話した。
その流れからの
「どっちかを選ぶという前提だろうが、
どっちを選ばないという選択肢だってある!」
腕を胸の前で組んで妙に納得染みたように“うん。うん。”と頷く店長。
……えっと…
「それは全く頭になかったですねぇ…。」
どっちを選ばないという選択肢をまず、考えた事がなかった私は一瞬あっけに取られた。
