
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
「えっ!? どういう事!?」
香織は慌てて水しぶきが出ていた辺りの中心まで走っていき、辺りをキョロキョロと見渡した。
驚くのも無理はない。
つい今さっきまで、確かに目の前で、走り回っていたはずの男の子が、水がなくなったのと同時にいなくなっていたのだ。
いなくなったと言うよりは、忽然と姿を消したという言葉の方が正しいのかもしれない。
香織の頭の中は、狐にでもつねられたような感覚で、“?”の文字で埋め尽くされてしまっていた。
香織は不思議に思いつつも、
『きっとお母さんが迎えにきたのね』
と無理やり自分に良いように解釈し、その場を後にした。
