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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第6章 決行


「名前ねぇ……何がいいかしら?」

 香織は暫し考える。

『ウサギだからウサタン? それともピョン吉?』

 色々出てくるが、どうもしっくりこない。

 悩んでいるうちに香織はふと思った。

『このぬいぐるみが私の代わりに、千里、梢のどっちかを殺してくれる……だったらこの子の名はこの名前が一番ふさわしいわ』


「貴方の名前は【カオリ】よ。私の分身……任せたわよ」


 香織はぬいぐるみを抱き上げると、本当の我が子に語りかけるように優しく言った。

 本来、ぬいぐるみに自分の名前を付けるのはタブーとされているのだが、この時の香織にとって、もうそんな事はどうでもよかった。

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