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月琴~つきのこと~

第3章 第二話 【月琴~つきのこと~】 一

 信濃屋を出された後、治助がいっときは洛南の知り合いの許にいたとおさよから聞き、惣右衛門自らがそこに出向いた。が、既に時遅く、小文と治助は出奔した後であった。治助を匿った幼なじみだという若い男も二人の行く先について何も知らされていない様子だった。

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