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従わない奴隷

第13章 俺の心とユウリの心


「お、おかわり

入れますね?

冷めちゃったし・・」




私は
その場から
逃げるようにして
湯呑を持ち去った


ほんとの理由なんて
言えない


こんな
私が


言えるわけ


ない




恥ずかしくて





言えない




ライキさんに
彼女がいると思ったから



叶わない想いだと
思うから



ライキさんじゃない
誰かを

好きに



なりたかった







「い、いや

いいよ

もうこんな時間だ」





え・・・



時計の針は
0時を指そうとしている

ライキさんが
部屋に来てくれるのは

うれしい



本当は

毎日でも



会いたい



でも



来るたびに
悲しくなる





帰ってしまうのが



いや






「・・・・」




冷めた湯呑を
両手で包んだまま
わたしは
立ち止まった




「明日・・仕事だろ?」





そんなの


どうでもいい





「・・・・・」





ライキさんは
立ち上がり

そっと



私の頭に
手をおいた





「こんな遅くまで

・・・悪かったな?」





悪くなんてないです

大丈夫です

全然・・・・平気






「帰るよ」











いや






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