姉さんは僕のお人形
第8章 拷問
教室中が静まりかえる
優斗も僕も、完全に動きが止まっている
しばらくして、優斗が口を開く
「麗奈、俺を守ってくれたんだな。ありがとう。やっぱり俺、
お前が一番ー…」
優斗は姉さんの手を握る
パシッ
姉さんは優斗の手を振り払った。
「私は…あんたなんか…好きじゃない…」
振り絞るような声。
「麗奈?泣いてるの?」
一人の女子が姉さんに声をかける
姉さんの肩が震えている。
「うっ…」
わずかに漏れる嗚咽
それは、女子全員に聞こえた。
「嘘!?大丈夫!?何があったの?」
「冷くんと優斗くんが、関係してるの?」
皆が姉さんを囲むように立ち、
姉さんに声をかける
姉さんが泣いてるのは一目瞭然だ
僕も姉さんの元に行きたかったが、周りにたくさんの女子がいるので行きづらい。
優斗は笑いながら言う。
「やっぱり麗奈は、泣き顔が一番だな。」
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