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「わあ！すごい！」

灰音が声を上げたのも分かる。
４人は国立の美術館に来ていたのだがそこには大きく素晴らしい絵がたくさんあったのだった。
美術館に行くので４人はそれぞれおしゃれをしてきた。

灰音は黒いシャツに赤いカーデガン、茶色いキュロットという秋らしい恰好。
美奈は紫色のワンピースに黒いタイツ。
柊一はグレーのパーカーにベージュのチノパン。
純は赤いネルシャツにジーパン。
しかし、４人は学生。やはり大人っぽさは出ないのであった。

「フェルメール、『真珠の耳飾りの少女』。模写ね。」

灰音が気に入ったらしい、その絵の前で柊一は立ち止まった。
女の子が不意に振り返ったような絵。