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柊一は言葉をつづけた。

「しかし、仮に『あの灰音』が偽物だとしてどうして純は気づいたんだ？」

美奈は不意に呆れたように言った。

「柊一って鈍感ね。今まで気づかなかったの？」

「は？」

「灰音も鈍感だけど柊一も気づいてなかったのね。それは純が灰音のことが好きだからよ。」

美奈の言葉に柊一は目を丸くしたのだった。

「好きな子の様子には気づきやすいのよ。人って。」

美奈が哲学者のような言葉を口にしたのだった。