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月の綺麗な夜に

第8章 気持ち

そう思って、阻止されても何されても帰ってやろうと手に力を入れた瞬間




「俺、嬉しかったんだ」



頭上から流星の声がして、思わず見上げると優しく微笑む流星の笑顔がそこにあって。


あまりに優しい笑顔にドキッと胸が弾む。



「嬉しかったって‥何が?」



流星の言葉に首を傾げる。




「俺との出逢いがアリだと言ってくれた事、すげー嬉しかった。

無だと思われてると思ったから。

だから、アリだと言ってくれてすんげー嬉しかった。

俺は雫月ちゃんとの出逢いをアリにしたかったから。

アリにしていたかったから。」




そう言ってフワリと首を傾げて笑う流星の言葉が頭の中をぐるんぐるんとリピートして駆け巡る。






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