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愛の嵐

第29章 曇天×降雨=星空

《松本時間》

言ってしまった
今なら冗談だと笑って誤魔化せる
でもそれはしたくない
翔さんの後押しはこの為に貰ったんだ

ニ「じ、冗談でしょ~!からかわないでよ」

困ったような複雑な顔してる
そりゃそうだよな
でもここで引いたら俺じゃない!

松「からかってない」

少し間が空く
意を決したように俺に向き合う

ニ「だって、俺女じゃないよ」
松「知ってる」
ニ「男だよ」
松「知ってる」
ニ「だって、だって」

見る間に潤んでいく瞳
頬に触れると小さく体が震えた

松「それでもなって欲しいって言ったら?」
ニ「俺・・・俺だって・・」
松「ん?なに?」
ニ「なり・たい」

瞳から零れる涙が指を伝う
消え入りそうな声は俺に届く

ニ「好きだ」

深く胸に突き刺さった
身体中に染み渡るように満たされていく
あぁ、好きだけじゃダメだったんだな
同じ想いになって初めて満たされるんだ

松「好きだよ」

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