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愛の嵐

第42章 偶因×晴陰=衷懐

数時間前

相「ただいま~」
和「お邪魔します」
相「違うだろ~!和の家になるんだから♪」
和「あぁそうか。じゃあ、ただいま」

ニッと笑う雅紀に見惚れてしまう
ここまで来ると思春期こえ~なぁ

相「俺一人暮らしだから気ぃ遣わなくていいから」
和「一人暮らし?!いいな、カッコいい」
相「そうでもないさ。家事が苦手だから大変だよ」
和「それなら俺が得意だから任せてよ。住まわせてもらうから、それくらいはする」
相「やったぁ!じゃあ遠慮なくお願いするよ」

雅紀にリクエストされたのはハンバーグだった
子供みたいだなっと思いながらも可愛くて頬が緩んだ
作る間ずっとカウンター越しに話をした
他愛のない会話でも俺の知らない雅紀を垣間見れた
ずっと笑顔で俺を見ている

和「あんま見るなよ」
相「えぇ~、いいじゃん!和、可愛いんだもん」
和「んなぁ、何言ってんだよ!」

嬉しいとか思った俺の思春期は酷くなるばかりで収まる気配を見せない
照れ臭くて目を逸らした時に包丁で指を切ってしまった

和「いったぁ!」
相「えっ、大丈夫?!」
和「あぁ大丈夫。ちょっと切っただけだから」
相「いいから!貸して」

手を引っ張られ雅紀の目の前に差し出した俺の指を

和「やめっ、何すんだ!」

口に咥えたままニッコリと笑った
口内の指を舌先で舐められて体が跳ねる
恥ずかしさに耐えきれなくて指を引き抜いた

相「血って鉄の味するね♪絆創膏取ってくる」
和「あっ、う・うん」

傷から血が滲む
それよりも舐められた指がジンジンする
全身が熱くるのを止められずにいた

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