高校1年生
第13章 13
「えっ、結構広くない??私の家、こんなに玄関広くないよ。」
私の家に比べたらとても玄関が広かった。
「でしょ??びっくりでしょ。俺も見たときびっくりした。」
「いいね。住みやすそう。」
「さっ、入って。」
私は陽佑に付いて行った。
「テレビでっかーい。」
「テレビは普通だと思うけど。」
「だって私の家テレビ無いもん。」
そう、私の家は何もない。布団とかは大家さんにもらったけど、他は何もない。
「えっ、そうなの??何で。」
「あー、言ってなかったっけ。私、家出して…今全然お金なくて困ってるんだ…」
私は目線を下に向けた。
「そうなんだ。大変だね…俺に何か出来ることある??あっ、欲しいものがあったら何か言って。」
陽佑は言った。陽佑は優しいなー。今日あったばっかの人にそんなことを言うなんて。
ごめんねー。私、陽佑が思ってる子じゃないのよね。
「そんなっ!!陽佑に迷惑だからいいよ。」
陽佑は私の手を握った。
「迷惑なんかじゃないよ。俺が勝手に言ってるんだから、何でも言って。」
「陽佑…」
陽佑はとても真っ直ぐ私を見ていた。吸い込まれそう。そんな目を私なんかに向けるんなんて勿体ない。
「陽佑、ありがとう!!大好き!!」
私は陽佑に抱きついた。陽佑を見ると顔を真っ赤にしていた。
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