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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 唐突な問いには応えられるものではなかった。大体、この時代に来て―彼と知り合ってから日が浅すぎる。しかし、王は続けた。
「私のために泣いてくれるほど、そなたは私を想っているだろうか」
 藍那が応えないのを彼は誤解してしまったらしい。彼女が口を開く前に、笑った。
「いや、つまらぬ話をした。今のことは忘れてくれ」

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