テキストサイズ

最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 こうなると、流石に普段、人に命令し慣れた立場の人だと思わざるを得ない。王の声には逆らいがたい威厳があった。
 藍那は殆ど引っ張られるように樹の洞に入り込んだ。
 そこは見た目よりは狭く、二人が膝を抱えて座れば一杯だった。王は周囲を興味深げに眺めながら言った。
「子どもの頃はよくここで隠れん坊をしたな。そなたに付き合って、ままごとをしたこともある」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ