
チョコレート
第10章 過去
「マジか…って思ったわ。本気で好きやと思ってたんは俺だけやったんやなって…」
「その子とは?」
「もちろん即別れた。辛いだけやしな…その後誰から告られても嬉しくなくなったわ。告られるたんびに好きなんは顔やろって、実際顔や思うわ。ほとんどが全く喋った事ない子から告られるし」
だからラブレターもらっても
告られても
嬉しそうじゃなかったんだ
「自信なくすわ」
寂しそうな顔でそう言う
私はそんな涼くんを
軽く抱きしめた
「彩ちゃん…」
陸…
今だけ許して下さい。
私は何も言わず
しばらくそのままでいた
言葉で励ましても
なんだか伝わらない気がしたから
