
チョコレート
第10章 過去
「まずなんで捻挫なんかしたんだよ」
「人に当たったの」
「自分から?」
「なわけないでしょ」
「あそ」
「そっけない~、涼くんは優しかったのに」
「おい」
急に声が低くなった
「はい、ごめんなさい。」
「あれ?戸田と祐樹?」
え?
前を覗くと
優衣と祐樹くんが
仲良さそうに
歩いていた。
「なんだ、上手くやってんじゃん」
「え?」
「あ、ううん。無視して通り過ぎて」
「なんで」
「いーから、学校で会うし」
「りょーかい」
邪魔しちゃ悪いしね
「悪いんだけど、今日最後のバイト行ってくるから涼に送ってもらって」
「もう人手大丈夫なの?」
「新しく入ったらしい、続けても良かったけど、彩との時間減るしな」
私の誕生日の後も
陸はバイトを続けていた
