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私はあなたを許さない

第16章 「その優しさは本物でしょう?」



光明「…」

希「鍵、置いてってね」

光明「…わかった、置いてくよ」

希「…」

光明「…」


彼女は徹底していた
必要な荷物は全部まとめさせ
最終的に鍵も回収し部屋に入れないよう
学校は仕方なかったが
それ意外では二度と会わないよう
徹底していた

一見すると
まだ混乱してるように見えたが
彼女はすでに落ち着きを取り戻していて
冷静で自分の気持ちに
素直で
正直だった


光明「…それじゃあ」

希「…」

光明「…」


見送りも
お別れの言葉もなく
希を残し光明は家を出て行った
お金はある為、泊まる場所などに困る事
はなかったが
気がかりなのは彼女の事だった

事件の事
黙っていた事
謝って許される事ではなかったが
自分は彼女に謝罪する事も弁解する事も
出来なかった

あの日の…


あの日の事故の真実を伝える事も…


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