
私はあなたを許さない
第15章 「黙ってるつもりだった」
光明「…」
最近、彼女の様子が変だった
どこがどう変かと聞かれると難しかった
が…
哲男「希、お待たせ」
希「哲男」
光明「…呼び捨てだよ」
彼女は彼と同じクラスだし
単なる男友達の一人かもしれなかったが
二人がキスをした
付き合ってる
そんな噂を聞いていたし…
光明「…はぁ」
二人の姿を見ていると
胸がモヤモヤ、ザワザワした
認めたくないし認めてはいけない気持ち
嫉妬、ヤキモチ
自分は彼に…
教え子に嫉妬していた…
光明「…」
嫉妬なんて格好悪い
第一、自分は彼に嫉妬する資格はない
自分は教師だし、それ以前に彼女を好き
になる資格なんて
なかった
彼女の両親の死
その事を彼女に言えず彼女を好きなんて
そんな事…
そんな事絶対…
言えるわけなかった…
光明「…」
