優しくしないで
第2章 歌声の隣で
私は…
静ちゃんと
顔を合わせ難くて…
かばんを取りに戻ると
『妹が家の鍵忘れて、家入れないみたいだから!先帰るね』
と皆に伝え…
お金をテーブルに置いて
カラオケ店から出た
出る時に…
トイレから戻ってきた剣に
「もう帰るのか?」
と聞かれたが、皆と同じ事を伝えた
「髪…長くなったな…」
剣は、肩を過ぎた髪をフワッと優しくすくった
『…切る…理由がないから』
「そうか…まだ、痛いか?足?」
『もう、痛くないよ。
ありがとう。また、遊ぼうじゃあね』
「ああ…またな」
髪は剣の手の平をスーっと滑るように離れた
剣はその手の平を…
グッと握りしめる
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