優しくしないで
第16章 私の一部
時間帯はすでに閉店している時間…
毎回、練習してるとは限らない…
でも…仁さんは…そこにいる気がした
店の前まで来ると…
明かりが見えた…
中では…カットマネキンの横に座っている…仁さんの背中が見えた
私は…ゆっくり…入口を開けた…
『仁さん……?』
ガタン…
振り向く仁さんは…ビックリしたようで…口を押さえて…驚いていた…
『良かった…』
「えっ…。良かった?」
私は…仁さんにお願いをした。
『私の…髪を、切ってほしいんです』
仁さんは…口に当ててた手を離し
いままでに見たことのない笑顔で…
「喜んで…」
と…胸にてをあてて答えてくれた。
仁さんの…暖かい笑顔…
暖かい声…
…私は…今…
何色ですか?
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