
パパとママのタカラモノ。
第5章 病の発覚。
「――ッ!!」
車椅子からベッドに
移されるときに産婦さんは
苦痛に顔を歪めた。
「お母さんがベッドに移られたところで、赤ちゃん連れてきますねー。カンガルーケアをしましょう。あと、初めての授乳もやっちゃいましょう!」
はっ!?あんたら鬼!?
この産婦さん股裂けてるんじゃないの?
何時間も陣痛に耐えてもう限界でしょ!
座るのもやっとな彼女に赤ちゃんを
支える体力なんてないのが普通‥。
「ちょっと胸元失礼しまーす。」
看護師さんの手によって
晒された彼女の胸に釘付けに
なってしまう貧乳の私。
――でかっ!!
「母乳パット、持ってますか?」
ふいに彼女が私に訊ねてきた。
奈央「あっ、ありますよー。20枚くらいで足りますか?」
とは言ったものの‥
絶対足りないだろうなぁ。
「師長!紙オムツお願いします!」
‥へ?紙オムツ??
彼女を見ると、
さっき私が渡した母乳パットは
ほとんどが床に落ちていた。
「ごめんなさい。母乳が出すぎちゃって、パットじゃ追い付かないの。」
彼女は申し訳なさそうに
軽く頭を下げた。
「はい!オムツ持ってきたわよ。」
Mサイズのオムツが5枚ずつ
両胸にあてがわられていた。
草薙「胸、おっきいですね~。」
私と同様に
一部始終を見ていた草薙さんが
口を開いた。
木村「旦那、幸せモンだな!笑」
草薙「やだぁ木村さんったら笑。木村さんも大きいじゃない。」
木村「あっ、あたしのは脂肪だから!贅肉よ、贅肉!!笑」
「皆さん、面白い方で良かったです笑。これから短い間ですが、宜しくお願いしますね。」
病室に笑い声が響いた。
