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『幼なじみ』

第22章  詐称



「あたしは・・・
美しい波って書いて・・・


美波って言いまーす!


この子は・・・悠希・・・。


漢字は難しくて
説明出来ないや・・・


キャハハ・・・!


ちなみに・・・
某大学一年生で・・・


クラブ大好きな・・・


ピッチピチの
十九才でーすッ・・・!」


「アハハ・・・!


了解~!


美波ちゃんに
ユウキちゃん・・・ね!


俺ね・・・?
普段はナンパとか
しないんだけど・・・


余りにも二人が
目立ってて
可愛かったから・・・


声掛けちゃったんだ・・・


ごめんね・・・?」


ハイテンションな
美波を・・・
明るく受け流し・・・


素直に謝ってくる
喜多見と名乗る男は・・・


とても人当たりが良く・・・


流石・・・
幼稚舎から慶応・・・
というだけあって・・・


苦労を知らないのか・・・


目鼻立ちの整った
端正な顔つきからは・・・
全く嫌味が感じられず・・・


言葉使いにも
それなりに
気品が溢れている・・・。


そして・・・


短髪な黒髪を
ツーブロックに剃り込み・・・
七・三に分け・・・


淡い水色の・・・
ラルフローレンの
ボタンダウンに・・・


ベージュのチノパンという・・・


至ってシンプルで
爽やかな服装に・・・


ルイヴィトンの
セカンドバッグを
小脇に抱える・・・
その姿は・・・


どこからどう見ても・・・
正真正銘・・・


【お金持ちのお坊っちゃま】
で・・・あった・・・。














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