お兄ちゃんはいちご味
第5章 キスの感触
パシッ
思わず果乃の腕を掴んだ
「なに、お兄ちゃん…」
戸惑った表情の果乃
ドキン…ドキン…
掴んだ腕から、果乃の体温が伝わり、俺の鼓動は速くなる
「お兄ちゃん、はやく離してくれないと…食べちゃうよ?」
「え…」
果乃は潤んだ目で俺をまっすぐ見る
「あたし、もう血だけじゃ足りない。またお兄ちゃんにキスしちゃうかも…だから…」
「は!?」
「お兄ちゃんはあたしとキスしたい?したくない?」
こいつ
何言ってんの…!?
頭がぐるぐるする
そんなこと言われたら、俺…
ドキン…ドキン…ドキン…
俺は速くなる鼓動とよこしまな思考回路を掻き消すように言った
「…お前のことは妹としか思ってない」
「……お兄ちゃんのバカ!」
果乃は俺の手を振りほどき、走って保健室から出て行った
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