お兄ちゃんはいちご味
第12章 触れる体温
「…お前、麻人が好きなの?」
意外なことを言われ一瞬固まった
「…な、なんで?」
「…お前昔から男嫌いみたいな感じだったじゃん。なのに麻人とは楽しそうに話すし…」
お兄ちゃんは不満そうな目であたしを見つめた。
ねぇ、なんでそんな顔するの?
それは、ヤキモチって思ってもいいの…?
"捺くんが果乃ちゃんのこと好きだったら、どうするの?"
麻くんの言葉が頭によぎる。
「じゃあ…あたしが麻くんのこと好きだったらどうする?」
「…別に…どうもしねぇよ」
目を逸らしてぶっきらぼうに言い放つお兄ちゃん
だけどその表情は苦しそうに見えた
嘘。嘘だよ
お兄ちゃんがあたしのこと大好きなことぐらい、知ってるんだからね…
素直じゃないお兄ちゃんがじれったくて愛しい
そんな顔されると、どうしようもなくなじりたくなる
「…じゃあなんでそんなこと聞くの?」
「心配なだけ。…妹だし」
"妹"…
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