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お兄ちゃんの声が聞こえた―――



「…お、お兄ちゃんっ！！」

「…果乃っ！？」

「ここだよっ！！お兄ちゃん！！」



走ってくるお兄ちゃんの姿が見えた

あたしは精一杯大きな声でお兄ちゃんを呼んだ




「…はぁ、はぁ…怪我は…！？」


お兄ちゃんは酷く息を切らしている

きっと必死で捜してくれたんだ…




「だいじょぶ。たいしたことな…




ぎゅっ





お兄ちゃんはしゃがんで、座り込んでいるあたしを強く抱きしめた。



ﾄｸﾝ…



途端に胸が高鳴る




「…よかった……」



お兄ちゃんの声が耳元で響いて

その温かい体温に安心したあたしは、みるみる涙を零していた




「ちょっ…泣くなよ」

「ごめっ…」

「…無事だったから別にいいけど…」

「…ぁ、麻くんは…！？」