お兄ちゃんはいちご味
第9章 夏休みのひみつ
「麻くん!これどうやるの〜?」
「あ、これはね…」
向こうで果乃と麻人の話し声が聞こえる
イライライライラ…
くそっ、ムカつく。
麻人の奴、近いんだよっ…
果乃ももっと離れろよな!水着なのに無防備すぎ…
俺の中で兄心なのかなんなのかも分からない感情がひたすら渦巻いていた。
でも、俺は絶対認めない…
果乃を女としてなんて見てない、見ない
たとえ果乃が俺をそういう風に思っていたとしても、それだけは絶対だめだって、分かってる…
だから今までずっと気付かないフリしてきたのに
兄として、妹として果乃を大事にしてきたのに
それでよかったのに、
どうして急に今まで通りに出来なくなってしまったんだろう
俺は兄として果乃を守れれば、側にいられれば、それでいいはずだったのに…
果乃に触りたくて、もっと近くにいきたくて、抱きしめたくて仕方ないなんて
ほんと、どうかしてる。
だけど俺は今の関係を、家族を、壊したくないから…
矛盾、してる…
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