私の幸せ
第2章 家
母の声はふるえていた
「じゃあ、あの子をどうするつもりなんだよ?」
「…」
「施設に預けるしかないのか?」
「っ!…」
こうなってしまうのは前々から予測していた。
その時、家出することを
決心した
もう、こんなのはイヤだ
ここにいるだけで吐き気がしてくる
次の日の早朝、荷物をまとめ、そのあと手紙を書いた
『お父さんとお母さんへ
今まで私を捨てずに育ててくれてありがとうございました。
やっとこんな私を捨てられるんだから嬉しいでしょうね。
二人とも、幸せになってください
私は二人のことがそれなりにすきだったけどね』
「何これ…
まるで捨てないでっていってるようなもんじゃない」
私はこの手紙を丸めてゴミ箱に向かって投げた
はずしてしまったが気づかずそのまま
もう一度書き直して机の上においた
『さようなら』
これだけしか書かなかったがかなりの気持ちがこめられていた。
静かに階段を降り、
―――家を出た――――
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える