テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

私を押さえ付けて見下ろす冷たい瞳に、サラサラと流れ落ちる黒髪…。



「な…なんで…嘉之…。」



苦笑いをしながら



「嫌って…そこまで嫌われたの俺。」



ドクン!ドクン!と、脈拍が早くなり冷や汗が出る。



落ち着いて…。



「どうして…どうして来たの…?」



「ん~探しもんがあったから~。」



探しもの?



「作品なら安岡さんに頼まれて、送るけど…。」



さっきまで観てた、作品の山を見やり



「あ~あれじゃないから。」



「な…なんなのよ…。それに何で入って来れたの!」



「合鍵あれば入れるじゃん。」



「合鍵…渡した覚えない…。」



「そうだな~でも、簡単に作れるし。」



「なっ!んぐっ!」



「ちょっと静かにしてな…。」



そう言って冷たい視線で、口の中に布を突っ込まれて喋れなくなる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ