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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

滝島と別れて、家路を歩く…。



ああは言ったモノの手紙を開くのに、まだ躊躇はしてしまう。



でも…いつかは読まないと…なら、今なんだろう。



きっと光花は、自分の『死』を感じたから、わざわざ手紙を残したのかもしれない。



「はぁ…聞いてやれれば良かった…。」



そう思っても、もう叶わない…。



重い足取りが、橋にかかる頃



「よしっ!!」



気合いの入った声がした。



「あれ…?」



前にもこんな事あった気がした…。
あれは、光花に会う前日…。



記憶が一気に巡り抜けていく。



一瞬の出来事だった…。



俺の横を一気に駆け抜けて行った、その子は強い決意を瞳に宿していた。



ドックン…。



胸を撃たれる。



光花も強かったが、また違ったモノを感じ、俺の弱さを踏み付けられた気持ちになった。



振り返り姿を追うと、その背中もう小さく見える位置にいた。



「よく来るのかな…?」



だからって何だろう…とも思ったが、何となく人を引き上げるモノを感じた。



「手紙…読まないとな…。」



光花…君がくれた最初で最後のラブレターだもんな…。



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