テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

「えっ…。」



小田切さん…。



「はい!右手出して!」



そう言って左手を伸ばしてきた。 


キュン…と、なる。
ヤバい!涙出てきた…。



「うん…。」



そっと出した右手を小田切さんは、強く握る。



温かいな…ドキドキが伝わってしまいそうだ…。



「香織ん…。明日は、海老フライだよ…。」



「うん…。」



「お腹いっぱい食べたら、海見にいくよ。」



「う…ん…。」



「浜辺…一緒に歩こうね…。」



「…ふっ…うん…。」



小田切さん!



今すぐ、抱き付きたいよ!



「お休み…香織…。」



「うん…お休みなさい…。」



心の中で、呼んでみる。



お休みなさい…志信さん…。



目元から涙が一筋、伝い落ちた…。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ