テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

「だから、香織んも気を付けてね。」



「へっ…!あっはい!」



やだな…寝起きに布団引っくり返って、開けてたらムードもへったくれもない。



「確か、開けないやり方あったような…。」



「してみる?」
「ん?何を?」



「俺、出来るよ~!はい、立って!香織ん!」



何っ!小田切さん、狙ったの?



「帯を一回外すから、浴衣開けない様にしてね~。」



「は、はい!」



本当にシチュエーション、どうにかして~!



シュルッと、一瞬で小田切さんは帯を外す。
私は胸元から、浴衣をしっかり掴みながら硬直する。 



それから、浴衣を直しながら、腰元に手を回し帯を巻き直してくれるまで、私は動悸が止まらなかった。



「はい、これでよっし!あれ、香織ん?」



「あ、りがとう…。」



「明日の朝まで安心だよ!」
「はい…。」



なんか物凄い疲れました…。



「小田切さん…私、寝ますね…。」



「あ~じゃあ、俺も~!」



ため息付きながら、襖を開けた…。  



「あっ…。」
「おっ!」



…布団くっついてる…。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ