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理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

「へっ!」
「ビール飲みながら、全部話してスッキリしよう!」


いつものテンションに戻ったな…。



「はい…ありがとう…。」



「俺、着替えてくんね!」



私を包んでた腕が、スルッと抜けた。



「…うん…。」



呆然としてる私の頭をポンポンと撫でて、



「待ってて。」



と、優しく微笑んで部屋に向かっていった。



現実に一気に引き上げられる。



「やっぱりか…。」



小田切さんとキスすることは、出来ないんだね…。



『キスもsexもしない…。』




同棲するにあたって、最初に誓った約束。



それが今は、邪魔になる…。



小田切さんは、気にしてないかもしれないけど…私だけドキドキしてるのかな…。



「はぁ~。」



腕の中…温かかった…。



いつまでもすがり付いて、離れたくなくなる。



これから先、歯止め訊くかな…。



つかの間の幸福と不安を味わいつつ、リビング向かった。



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