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理想と偽装の向こう側

第13章 対決

パチンッ…。



また、ピースがハマっていく…。



滝島さんは、きっと全部知っている。



でも…まだ、開けてはイケないパンドラの箱。



「だから、元気にモリモリ一緒に食べてあげて!あいつ料理、上手いでしょ!」



「食べてますよ~!本当に美味しいし、このままだと太りそうです。」



「はははっ!そっか~!小田切なこと宜しく頼むね!今度良かったら一緒にウチにも、遊びに来てよ!娘自慢するからさ!」



「はい…是非。」



滝島さんは、ディズニーのDVDを抱えて帰って行った。



一緒に来てか…。



少し見えた、小田切さんの元カノのカタチ…。



小田切さんは、元カノと出来なかったことを今、私としているのかもしれない…。



あの微笑みも、優しさも…全部元カノに向けられてるものなのかな?



ちょっと、小田切さんに近付けたかと思ってたけど…まだまだ遠いんだね…。



胸が、ギュッと締め付けられる…。



何気なく、右手を見詰めた。



日曜日に繋いだ手の温もりは、まだリアルに残っている…。

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