テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

「では、第一案はこんな感じで、また途中経過を報告しますね。」



「宜しくお願いします。」


梶さんのアイデアは、アーティストの個性も生かしながら、商品とのコラボレーションの魅力も十分に発揮させてくれる感じだった。



流行りや、売り込みに重視してはなく、それでいて目を惹く。



何よりアーティストの気持ちを心得ている様だった。
凄い楽しみだ!



「では、これで…」
「渡辺さん、すみませんがもう少し確認させて頂けますか…特にアーティストについて…。」



私たちが席を立とうとしたら、梶さんは意味深に呼び止めた。



「あ…はい…。」



「元木さん、有り難うございました。」



梶さんは、ニッコリ笑って元木さんを見送った。



「では、お先に帰ります~!」



パタン…とドアか閉まり、梶さんは二人きりになると、脚を組んでリラックスモードになり



「渡辺さん…彼どう?」



と、突っ込まれた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ