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理想と偽装の向こう側

第8章 絶対服従

なるべく穏便に、やり過ごして打開策を導きだそう…。 



ワインを少しずつ飲みながら、思考を巡らす。



『言わなかったの…。』



あ…。



『それが素直な気持ちだったんだろ。』



『自分が必要だって言って欲しかったんだろ…。』



『素直なじゃないな~。』



…小田切さんの笑顔と言葉が次々と沸き出る。



ここは、話した方がいいのかも…。
じゃないと、いつまでもループする。



嘉之が時間あることもそうそうないし、今でのこと、元木さんのこと…素直に話してみよう…。



私は嘉之の方を向き、意を決し、話しかけようとしたら、嘉之は私にキスしようと顔を近づけていた。



慌て身を引きながら



「嘉之!話したいことがあるんだけど!」



と言うと、露骨に嫌な顔をされてしまった。



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