テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第27章 *番外編* あの日から…。

思えば最初から、誰でも言い訳じゃなかった…。


光花への罪悪感と焦燥感に襲われて、絶望的な毎日に唯一光を見せてくれたのは、たった二回だけ会った香織だった。


だから、彼女を見付けた時に何としても、側に置きたかった…。


『傷を舐め合い』を前提にした『同棲』


そんなの普通、有り得ないだろう?


そんな非常識を打ち破ってでも側に居て欲しかった。


前を向くには、辛い現実を受け止めなきゃいけない…。


あの時の俺には、そんな勇気も気力も無かった。


でも、闇の中に独り堕ちるのも恐かった…。


そして香織を引き摺り込む。


「最低だよな…俺…。」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ