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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

「でも…明日には嘉之、イタリア行くから…。これで本当に終わったから…。」



後は、写真とメールを何とかするだけ。



「だから、乾杯しよ!」



「香織…。」



凄い泣きそうなくらい、切ない顔。



そして、小田切さんは私の手首を痣に唇を寄せて少しずつ這わせていく。



ゾクリッ!



「あっ…。」



いきなりで、背中に電流の様な刺激が走る。



「小田切さ…ん?」



眉間に皺を寄せて、眼を細め…舌先で痣に沿って舐められる。



「はぁ…大丈夫だから…。」



小田切さん…どうしたんだろ…ここまで感情的な事なかったのに。



「お風呂…入るから!」



瞬間、小田切さんは我に返った様に眼を開き、身体を離す。

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