テキストサイズ

妄想しながら素直になろうよ

第7章 ラッシュで妄想

昨日の課長はずいぶんと積極的で、やたら可愛かったなぁ。
なんてニヤニヤしながら隣の恋人を盗み見た。

月曜の朝、駅はいつにもまして人があふれかえっている。
誰と見比べても、俺の課長が一番可愛い。

本当なら、昨日終電で家に帰ると言っていた内海だったが、ベットの上でふにゃふにゃになってしまい結局お泊まりになった。
そして同伴通勤。

憂鬱になる通勤ラッシュだって、心はウキウキ。
電車の中で手をつないでたって、誰にも分からないから堂々とできる。



ホームに電車が滑り込んでくる。
すでに車内は人がすし詰め状態だった。

どどっと人の流れが交差して、離れないようにと思っていたのに課長を見失ってしまった。




息苦しい箱の中で、俺は無理矢理頭を動かし愛しの内海を探す。

手も足も磔になったように拘束されている。


課長・・普段はこんなラッシュの電車じゃないから心配だ。




小さな丸い頭を発見した。斜め前方で磔になっている。
俺に背を向けて立っているので、表情は分からない。

少しでも内海の近くに寄ろうと少しずつ身体をずらしながら移動を試みる。





そんな中、内海の様子が少しおかしい事に気がついた。

頭を項垂れて、首筋が露わになっている。
時折体が揺れて体勢を変えようとしているらしい。

俺を探してるのかな?なんて一瞬思ったが・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ