月夜の下で…
第3章 ~ 愛しい人 ~
行為が終わり、みちるは乱された姿のまま力なくベッドに横たわってた。
涙が流れ続け、森崎先輩の指がそれを優しく拭った―――
「触らないでっ!」
あんなことしといて優 しくしないでっ…!
力いっぱい手を振り払うのと同時に、勢いよく上半身を起こし森崎先輩を睨みつけた。
そんな興奮状態のみちるを、森崎はいきなり抱き締め腕に力が込められた―――…
「俺はっ
無理やり抱いたこと後 悔してない!
…それでみちるを‥繋 ぎとめることができる んなら
俺はっ…!」
悲しそうな声‥‥
…こんな取り乱した森 崎先輩‥初めて見た… そんなに…ぼくのこと ‥‥
「月野なんて選ぶなっ! 俺が幸せにするから… !
だからっ‥‥」
「森崎先輩…」
森崎先輩の気持ちが痛 いほど伝わってくる…
「お願いだからっ
みちる!」
「‥‥ごめんなさい
ぼくが好きなのは‥楼 なんだ…
楼といると…毎日が楽 しくて‥すごく幸せで ‥‥
だから…森崎先輩とは ―――」
申し訳なさそうに森崎先輩から体を離し、俯いたまま顔を背けた。
「…そっか‥じゃあ…」
勢いよく押し倒され、悲しげに見つめる森崎先輩の整った顔が飛び込んだ。
「俺なしじゃいられない 体にするまでだ」
「やっやめてっ!
そんなことしてもぼく はっ…!」
塞ぐようなキス…
両腕を頭の上で押さえつけられ、自由を奪われてしまった。
行為は帰る時間まで続き、いつしか抵抗する気力も無くなり、シーツを涙で濡らしながら身を委ねた―――‥‥
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