狼男子の扱い方
第6章 道端での再会
不在着信 8件
新着メール 9件
全部、玲音からだった。
内容は
いまどこだよ
何勝手に帰ってんだよ
反応しろ
連絡よこせ
そんな一文のメールばかり。
あたしは不在着信の中の
一番最近のものから
発信ボタンを押して玲音に電話する
プルル……と
機械音が聞こえる
プップップッ……
カチャ
『美華!?』
─出るの、早い……
「……うん」
『お前、どこいってんだよ!
いままで何してた!?』
すごい焦ったような声で
玲音はみだれる
「どこ、って……
家帰って寝てたんだけど…」
……心配してるの?
『ふざっけんなよ!!
俺下に隠れてろっつったよな!?
…に勝手なことしてんだよ!』
─ちょっとまって?
なんで、こんなにあたしが
責められるの?
あたしが悪いの?
……ていうか
元カノとシてるのを
聞いとけって方が無理でしょ?
『おい?』
「……ねぇ
あたしらって、なんなの?」
『は?』
「付き合ってるの?」
玲音は
あたしを好きなの?
心の声が
電話先まで届いていた。
『んだそれ。
お前は俺のもんだろ』
……なんでだろ。
普通、こう言われたら
キュンとくるはずなのに
いまのあたしには
むなしさしか感じない。
「……たしは、
あんたのモノじゃない!」
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