抱かれる日々
第12章 籠の鳥
連れてこられたのは優輝様の部屋だ
あたしをベッドに座らせると優輝様は救急箱を手に持ち隣に腰掛けた
「腕大丈夫..?」
あたしはあんな事をしていたのに何故優しくしてくれるの?
「もう..あたしには構わないでください」
一瞬手の動きが止まったけど止めずに手当てしてくれる
痛みなんかしない傷なんかどうって事ないのに..
「あんな事してる理由あるんでしょ?
前にも言ったけど自分の体を大切にしな?」
「出来ないんです
あたしは生きるために体を犠牲にしなければならないんです」
「体を犠牲にする前に感情まで犠牲にしてやる事?」
この人は何も分かってないんだよ
感情なんて持っていたら邪魔になるだけなんだから
「あたしはこの人生にもう迷いなんてありません」
「君がそうだとしてもこっちは黙っていられない」
"聞くな聞くな聞くな殺してしまえ"
キーンと頭に痛みが走る
何故あなたがそんな事を言うの?
あなた本当に誰なの?
「優美ちゃん?どうしたの?」
「..なんでもないです
いずれにしろ構わないでください」
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