抱かれる日々
第6章 花言葉は孤独
ガガガガ....
西条家の門が開くと沢田さんが庭に居た
「どうしたんですか?」
聞かなくても分かってるくせに。
あたしは一礼して通り過ぎる
「優美さん...」
そのまま裏庭まで行く
あたしの大好きな花に水をやる
唯一あたしが自由にやって良い事はこの花に水をあげる事だろう。
この時間が幸せだ。
「その花なに?」
後ろから声がしたから振り返ると見た事のない1人の男性が居た
「エリカって名前の花です。」
「周りは薔薇なのにその花だけ
何で抜かないんだ?」
「抜いたら消えてしまうから...
エリカの花言葉は"孤独"。
これを抜いてしまったらあたしも消えてしまう気がするから....」
あたしそっくりな花だ。
周りには薔薇のように棘がある人間ばかり..
そこに1人ぼっちのあたし。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える