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それでも、私は生きてきた

第66章 母の告白

父との再会への感動には変わりはなかった。

父が、どうしたらいいんだ?と、母に相談していた事は何もショックじゃない。

父の笑顔は、父のモノだから。
笑顔の瞬間に人が入れ替わるわけでもない、
母の誘導からのスケジュールだとしても、行動してくれた父に感謝している。


私の中で
母の行動そのものに驚きはあったものの、
母の告白の内容自体には何ともない。
母の中で、父に対する鬱憤が募っていることは幼い頃から聞いてきた。

それでも私は、
父も母も親だから。

どちらにも親としての感謝と好意はあるから。



ショックだったのは。

母の本音が何もかも、
憎しみに包まれていることだった。




幼い頃から、
母の矛先は子供の姉と私だった。

話の意味がわからなくとも、
何となく
夫婦仲が良好とは言えない事はわかっていた。


おかしな話だが、
幼稚園頃から

パパとお母さんが別れた時には、私はパパの味方にならなきゃ!と思っていた。


姉は、母っこ。

私は、父っこ。

だった。


その母の愚痴を聞きながら、
姉の返す言葉は「父」「男」を否定的に捉える言葉になっていた。


気付けば、大人になるにつれて姉は常に「男」とゆう生き物を毛嫌いするような発言も多かった。



母のメールの中身は、

昔以上に

「父への憎しみ」が大きく膨らんでいるように感じた。


そして、

変わらず「父っこ」の私の思考をマインドコントロールしようとしているように感じた。


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